第2話「青」
「私も最初は驚いたよ。君の父は亡くなったと思っていたからね。だけどある日、一通のメールが来たんだよ」
メールの内容は
俺が化け物に挑戦する知らせのみだったらしく、それっきり返信しても返事は泣く音沙汰がない状態らしい。
ランクアップを終えた俺はDランクのみ参加が認められている「Dランクカップ」の会場を目指してジムを後にした
「父さんが俺かジムを目指したことを知っていたってことはやっぱりメールの送り主は父さんだったのか…?」
可能性としては低くないはずだ。黒井へのメールアドレスが個人のアドレスになっていた。
「LORDのアドレスでは無い限り、やっぱ父さんは今も…」
と、その時。
「お前が音無速斗か?」
声の先には青いローブを身にまとった青年が立っていた。
「だとしたら、なんだ?」
「その、伝説のベイ。ソニックガブリエルを渡してもらおうか。お前じゃ扱えない」
そう言って謎の青年は手を突き出した
「と言われてもな。さすがに見ず知らずの人間に自分の相棒を簡単に渡せるわけないだろ」
「まぁ、普通はそうだな」
すると青年は自分のローブの被っていたフードを脱いだ
「俺の名前は『海王 龍呉』。『ギャラクシア』の幹部だ」
話を聞くところによるとギャラクシアは伝説ベイの研究をしている組織らしい
「なら、お前は伝説ベイに関しては多少の知識がある。ということだな?」
「あぁ。伝説ベイはざっくり言えばいにしえより伝わる大昔のベイだ。ギャラクシアの方ではいくつかの伝説ベイを探し出し研究を続けている」
それでLORDで色々な所を旅していた父さんがたまたまこのガブリエルを見つけたのか
「なるほど。そっちの話は理解した。だが、俺にも目的があってこのベイと共に旅をしている。お前らに渡すことはできない」
そうだ。オレは父さんの真相を知るまではこのベイを手放すことはできない。
こいつにはまだなにか力が眠っている。そんな気がしている
「それがお前の『答え』か…。ならこうしよう。ベイの戦闘データを提供してくれる代わりにギャラクシア側がお前が作ったそのドライバーにさらなる強化を加えてやる」
なるほどそうきたか…。
しかし、ギャラクシア側は大会に参加する気はないらしいし、戦闘データくらいなら渡しても損は無いだろう
「分かった。その話に乗ってやるよ」
そういうと龍呉と固く握手を交わし、ギャラクシアの本部へ向かった